「図書館建築」司書養成課程における重要な科目のひとつ




司書養成課程の選択科目で、わたしは「図書館建築」を選びました。

 

「図書館建築?そんな授業あるの? 」

と聞かれますが、そうなのです。

 

図書館の建築に関するものだと「図書館施設論」が一般的のようですが、わたしが受けたものは間違いなく「図書館建築」です。

 

 

図書館司書は建築家ではありませんが、実際に図書館で働いていると、その領域に関わるインテリアや設計、設備、家具などにまったく無関係とはいえないし、ときに、大部分の時間と労働力を使うこともあります。

 

しかし、司書養成課程において、最も実用的とされる必修科目では、図書館の建物の歴史や文化、図書館の実際の作業部分とその改築や建設にはあまり焦点を当てていません。

公立図書館の歴史や構造に少し触れている程度です。

 

早稲田大学や明治大学の文学や教育学分野の講師であり、建築事務所の代表取締役である柳瀬寛夫教授が指導するこのコースでは、図書館建築の歴史から基本計画書の重要性、図書館利用者に与える心理的影響(心理的に分析して設計する)など、どのような専門分野にも役立つ情報が提供されました。

 

この分野について知れば知るほど、わたしはその独特さに惹かれました。

 



 

図書館員は、キャリアにおけるある時点で、ほぼ間違いなく、図書館建築に関わることになります。

 

それは、自分の業務に対して注意深く意識しなければ気づかないほどの些細なことかもしれませんが、確かに少しくらいは触れていると思います。

 

わたしの例でいうと、ある学術図書館では、3年しかそこにいなかったにも関わらず、建設、設備に関わる重要性について考えさせられたり、実務として実際に関わる機会がたくさんありました。(東日本大震災もこの図書館で体験した)

 

柳瀬教授の図書館建築を受けてから数年後、図書館員のためのブラッシュアップ講座で、ふたたび同教授による「図書館インテリア」を学びましたが、これもまた素晴らしい体験でした。

 

フィールドワークでは、開館したばかりの明治大学和泉図書館を訪問しましたが、ガイドを務めてくれた図書館員の方はこう言っていました。

「学生にとってよい図書館であることはもちろんですが、自分たちが働く場所としてたくさん議論しあって作り上げました」と。

 

まるでマイホームを案内するように生き生きと”彼らの”図書館を紹介してくれたことはとても印象的で、心から羨ましかったです。

 

また、昨年、岡山県立図書館について調べたときには、図書館職員が図書館の建設がいかに独特であるかを理解し、「パリ凱旋門のような」とか「古典的なギリシャ建築様式を」、「歴史があり話題性も」という、いっけん聞こえのよいものに流されることなく図書館の意味とそのための建築の必要性を訴え続けた10年にもおよぶ歴史に感動しました。

 

またそれは、まさに図書館員が「図書館建築」について深い知識を持つ必要性を感じるものでした。

 

すべての図書館員が、図書館の建築の特殊さについて知っておくべきです。

要するに、図書館情報学や司書課程で必須科目としてあるべきだと考えます。

 



 

しかし残念なことは、図書館建築は、いまだ建築分野の領域であることです。

 

もし、わたしに建築オタクのような友達がいれば、図書館建築について何時間でも話せるでしょうけど、図書館員仲間とそれらを話題にすることはほとんどありません。

 

もし、あなたが図書館情報学を学ぶ学生で、その選択科目に「図書館建築」(図書館施設論でもよい)があるならラッキーです。

 

ぜひ、選択することをおすすめします。

 

しかし、ほとんどの学校では図書館建築のクラスは存在しません。

 

そこで、図書館建築について知ることができるリソースをいくつか集めました。

参考にしてみてください。

 

図書館建築に関するリソース

 

情報がやや古いかも知れません。

 

また「建築」というと、建築ツアーで訪れたくなるような美しい(ユニークな)図書館の写真集のようなものを考える人もいるかも知れませんが、建築学に基づいたものを紹介しています。

 

こちらは、定期的に更新する予定です。

 

図書館建築に関する本

 

Managing Your Library Construction Project: A Step-by-step Guide

2007年に発売された、図書館建築のための基礎的な1冊です。

著者のリチャード・マクキャシーは、図書館専門の建築家であり、ベテランの図書館管理者でもあります。彼は、建築家だけではなく、図書館員に建築設計のチャレンジと機会を伝えます。図書館管理者、専門家、管理者、および受託者は、この1冊で専門家の回答を得ることができるでしょう。

Library Book, The: Design Collaborations in the Public Schools

これは、図書館インテリアのクラスで先生におすすめされた本です。

アメリカの非営利団体「Robin Hood Foundation」が、学生の識字率と総合的な学業成績を向上させるることを目的に2001年から「L!brary Initiative」を立ち上げ、学校区と協力して新しい小学校の図書館を設計、建設、装備し、スタッフを務め、活動している記録です。

洋書ですが、写真も多く楽しめます。

児童サービスや学校図書館司書または、学校運営者などにおすすめです。

 

 

図書館建築に関する雑誌

 

建築雑誌でおなじみの『新建築』ではたびたび図書館が記事になりますが、数年に1回の「教育施設特集」は特に見応えがあります。

以下は、『新建築』で特集された記事と図書館です。

 

2011年9月号「大型建築による新たな可能性」特集


白河市立図書館/東京工業大学附属図書館

 

2013年6月号「木造建築の展開 木材の特徴を活かす構法を」特集

飯能図書館

 

2015年6月号「地域につくる新しい場所──小学校・中学校・高等学校から大学まで」特集

流山市立おおたかの森 小・中学校 おおたかの森センターこども図書館
立川市立第一小学校 柴崎図書館・学童保育所・学習館
福岡女子大学 図書館棟

 

2016年6月号「更新され続けるキャンパス──空間の「今」に見る大学教育の戦略」特集

東京経済大学新図書館・5号館/東京大学総合図書館 新館

 

2018年12月号「教育施設」特集

東京大学総合図書館 別館=東京大学キャンパス計画室
九州大学中央図書館イースト1・2号館およびウエスト5号館

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