人物についての情報は、最近ではインターネットでも得ることが出来ますね。
しかし、研究や論文など学問の現場で使う場合は、信頼性の高い情報源を複数確認して正確な情報を入手し、入手元を明示できることが重要です。
さらに、個人ブログやサイトなどを運営している場合も、正確な参照元を明示することは、今後、検索エンジンGoogleなどの評価に影響があると思われます。
図書館を自身の学問やビジネス、または趣味などのレベルアップに活用してみてください。
今回は図書のみを紹介しているので、実際に図書館まで行く必要があります。
データベースについてはまた別の記事で紹介します。
歴史上の人物を調べる方法
歴史上の人物については、下記のような幅広い分野と時代を扱った事典で調べます。
- 一般人名事典
- 百科事典
またこれらの事典は、現在活躍している人物でも顕著な活躍をした著名人については同様に収録されています。
一般人名事典(日本)
日本の歴史上の人物、顕著な活躍をした現代の著名人などを調べるには、下記の事典一択です。
日本人名大事典[平凡社]
約60,000人を収録。
『新撰大人名辞典』をもとに増補改訂されたもの。
一般人名事典(世界)
世界の歴史上の人物、世界中で顕著な活躍をした現代の著名人などを調べるには、下記の事典です。
岩波世界人名大辞典[岩波書店]
約38,000人を収録した、日本最大規模の外国人名辞典。
『岩波西洋人名辞典』の増補改訂版。
Encyclopedia of World Biography[Gale]
現代にいたるまでの世界中の著名人の人物情報を参照できる事典。
人物レファレンス事典[日外アソシエーツ]
外国人物レファレンス事典[日外アソシエーツ]
「どの人名事典を引けば調べたい人物が載っているか」を調べる事ができる、人名事典の人名索引。
現代に活躍する人物を調べる
一般人名事典や百科事典は業績の定まった人物を収録するため、現代に活躍する人物の網羅性は低くなります。
このような時は、下記の現存者のみを対象とした事典や、近年の物故者のみを対象とした事典が有効です。
- 人名録
- 紳士録
- 人名鑑
- Who’s Who
以上、現存者のみを対象とした事典
- 物故人名鑑
- Who was who
以上、近年の物故者のみを対象とした事典
人名録(日本)
日本紳士録[交詢社出版局]
人事興信録[人事興信所]
明治期より長年にわたり各界著名人の情報を掲載した日本で最も古い2つの紳士録。。
官僚、大企業の役員、芸術家など著名人のうち、存命で活躍している人物の情報を掲載した本。
生年月日と出身地、最終学歴、刊行時点での居住地、場合によっては家族情報や趣味などの個人情報が記されていることもある。
『日本紳士録』は2007年の第80版、『人事興信録』は2009年の第45版を以て休刊。
人名録(世界)
現代外国人名録[日外アソシエーツ]
4年ごとに改訂される、日本で唯一の外国人名録
2016年版では約1万人を収録。
人名録(その他各国)
Who’s Who[A. & C. Black]
1849年より続く英国の人名録。
司法関係者、公務員、政治家、著名な文化人、スポーツ選手などが調査可能。
姉妹編の『Who was Who』では、物故者も調査可能。
専門分野に応じた人物を調べる
たとえば、前述の一般人名事典や人名録に掲載されていなくても、各専門分野で業績を残している人物については、専門分野ごとの情報源の調査が有効です。
日本近代文学大事典[講談社]
日本近代文学の必携事典。
第1巻~第3巻が「人名編」。
美術年鑑[美術年鑑社]
現代日本美術作家の名鑑を掲載。
伝記などの人物文献で調べる
特定の人物について、より深い情報を調べる時や、人名事典に載っていない場合には、伝記、評論、研究書、回顧録、年譜などといった「人物文献」での調査が有効です。
人物文献を探すためのツールには以下のようなものがあります。
「人名辞典」大事典[人名情報研究会]
約20,000点の「人名事典」「人名録」類を紹介。「ジャンル別編」、「地域編/外国編」がある。
名簿・名鑑全情報 [日外アソシエーツ]
人名録、人名事典を含む名簿・名鑑の総目録。1945~2004年の60年間に日本で刊行された書籍を対象とする。
Biographical dictionaries and related works [Gale Research Co.]
1986年刊行の第2版では、世界各国の人名事典、人名録、百科事典16,000件を収録。
図書館でこれらの図書を探す方法
前述のとおり、今回紹介したのは図書のみなので、実際に図書館に行く必要があります。
ここで紹介したのはすべて参考図書になるので、書架を探し回らなくても「参考図書コーナー」にまとめて置いてあることが多いです。
図書館のOPAC(蔵書検索システム)で調べると、資料情報の資料種別が「参考」、請求記号の頭に「R」が付いているはずです。
図書館の参考図書コーナーに行き、請求記号を参考に探してみてください。
各人物事典・図書の請求記号
下記は、国立国会図書館を参考にした一般的な請求記号です。
各図書館によって数字が異なったり、別の記号が付与されていることもありますので、お近くの図書館で調べてみてください。
歴史上の人物を調べる | |
日本人名大事典[平凡社] | R/281// |
岩波世界人名大辞典[岩波書店] | R/280.3// |
Encyclopedia of World Biography[Gale] | R/280.3/E// |
人物レファレンス事典[日外アソシエーツ] | R/281// |
外国人物レファレンス事典[日外アソシエーツ] | R/280.3// |
現代に活躍する人物を調べる | |
現代外国人名録[日外アソシエーツ] | R/280.3// |
Who’s Who[A. & C. Black] | |
専門分野に応じた人物を調べる | |
日本近代文学大事典[講談社] | R/910.2// |
美術年鑑[美術年鑑社] | R/705.9// |
伝記などの人物文献で調べる | |
「人名辞典」大事典[人名情報研究会] | R/280.3// |
名簿・名鑑全情報 [日外アソシエーツ] | R/028// |
Biographical dictionaries and related works [Gale Research Co.] |
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