有名人や歴史上の人物など、人物についての情報は、最近ではインターネットでも得ることが出来ますね。
研究や論文など学問の現場で使う場合は、信頼性の高い情報源を複数確認して正確な情報を入手し、入手元を明示できることが重要です。
個人ブログやサイトなどを運営している場合も、正確な参照元を明示することは、今後、検索エンジンGoogleなどの評価に影響があると思われます。
図書館を自身の学問やビジネス、または趣味などのレベルアップに活用してみてください。
人物情報について図書館に行き、図書館に置いてある本(参考図書)で調べる方法はこちらで書きました。
今回は、データベースについて紹介します。
「データベース」とは?
まず、図書館におけるデータベース(database, DB)とは何でしょうか。
データベースとは、検索や蓄積が容易にできるよう整理された情報の集まりのことを言います。
紙の住所録などをデータベースと呼ぶ場合もありますが、通常はコンピュータによって実現されたものを指します。
図書館において「データベース」というサービスをいう場合、
インターネット上にある大事典のようなもの
を指します。
また中でも、出版社や新聞社が提供している有料のサービスを指すことが多いです。
図書館が該当の有料サービスと契約している場合、図書館にあるデータベース専用PCで利用することができます。
インターネットサービスですが、図書館まで行く必要があります。
図書館が提供するこれらのサービスは「オンラインデータベースサービス」ということが多いです。
図書館で利用する主なデータベースサービス
図書館で利用できるデータベースサービスには下記のようなものがあります。
新聞記事検索
新聞の過去の記事をデータベースでみることができます。
- 日経テレコム21(日経新聞)
- ヨミダス歴史館(読売新聞)
- 聞蔵(朝日新聞)
など
日経新聞が提供する「日経テレコム21」や朝日新聞が提供する「聞蔵」では、関連の出版社から発行された雑誌記事を検索することもできます。
百科事典
Wikipediaのようなものではなく、参考図書として出版されている事典を収録しているサービスがあります。
知りたい言葉などを辞書で引くかわりに、検索で辞書の中身を知ることができます。
- ジャパンナレッジLib
- ブリタニカ・オンライン・ジャパン
など
データベースで歴史上の人物を調べる方法
歴史上の人物については、幅広い分野と時代を扱ったインターネット百科事典で調べます。
一般人名事典(日本)
日本の歴史上の人物、顕著な活躍をした現代の著名人などをデータベースで調べるには、インターネット百科事典の
がおすすめです。
日本人名大辞典(ジャパンナレッジLib)[講談社]
『講談社日本人名大辞典』を基に作成され、75,000人を超える収録数を誇る日本最大規模の人名事典。
事典や辞書を中心とした総合データベース。
【収録コンテンツ一覧】
- 「日本大百科全書(ニッポニカ)」
- 「世界大百科事典」「日本国語大辞典(日国オンライン)」
- 「字通」
- 「日本歴史地名大系」
- 「国史大辞典」
- 「ランダムハウス英和大辞典」
- 「情報・知識imidas」
- 「現代用語の基礎知識」
- 「週刊エコノミスト」
- 「会社四季報」
- 「東洋文庫」
など
『新撰大人名辞典』をもとに増補改訂されたもの。
人物・文献情報 who plus
歴史上の人物から現在活躍中の人物まで、日本人24万人+外国人8万人=32万人を収録した「who」(人物・文献情報)に、日外アソシエーツの人物関連事典・索引の「plus」28万人を追加して、併せて約60万人を横断検索できる総合人物情報データベース。
【収録コンテンツ一覧】
- 「人物レファレンス事典 日本編/外国編」
- 「海を越えた日本人名事典」
- 「追悼記事索引1991-2005」
- 「美術作品レファレンス事典 人物・肖像篇」
- 「写真レファレンス事典 人物・肖像篇」
など
>>人物・文献情報 who plusが利用できる東京都内の図書館
一般人名事典(世界)
世界の歴史上の人物、世界中で顕著な活躍をした現代の著名人などをデータベースで調べるには、「Oxford Dictionary of National Biography」がよいのですが、公共図書館で契約している図書館が少ないので、前述の「ジャパンナレッジLib」と「人物・文献情報 who plus」で調べることになると思います。
Oxford Dictionary of National Biography [Oxford University Press]
オックスフォード英国大人名辞典(Oxford Dictionary of National Biography online edtion)
英国史における著名な人物の伝記情報を掲載。
【収録コンテンツ一覧】
- 書籍版『Oxford Dictionary of National Biography』(2004年改訂新版)全60巻
- 旧版(1884年~1996年)全33巻のフルテキストデータ
データベースで現代に活躍する人物を調べる
一般人名事典や百科事典は業績の定まった人物を収録するため、現代に活躍する人物の網羅性は低くなります。
このような時は、現存者のみを対象とした事典や近年の物故者のみを対象とした事典が有効です。
人名録を専門に扱ったデータベースサービスはありませんが、新聞記事データベースサービスで「現代人名録」や「人物データベース」を取り扱っています。
現代人名録(読売新聞記事データベース「ヨミダス歴史館」)
読売新聞が提供する「ヨミダス歴史館」の中に、「現代人名録」のサービスがあります。
現代の国内外のキーパーソン(一部故人を含む)の新聞データベース内の人物情報。
新聞紙上で取り上げられるような著名人を収録。
人物データベース(朝日新聞オンライン記事データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」)
朝日新聞記事のデータベースの中に、人物データベースがあります。
【収録コンテンツ一覧】
新聞記事のほか、朝日新聞出版社が出版している雑誌記事なども利用可能
- 「AERA」(創刊号~)
- 「週刊朝日」(2000年4月~)
- 「知恵蔵」
- 「人物データベース」
- 「歴史写真データベース」
など
データベースで専門分野に応じた人物を調べる
たとえば、前述の一般人名事典や人名録に掲載されていなくても、各専門分野で業績を残している人物については、専門分野ごとの情報源の調査が有効です。
人名辞典・データベース
日経 WHO’S WHO(日経新聞データベースサービス「日経テレコン21」)
日経4紙の記事全文、企業・人事情報などが検索可能。
企業の役員や、政・財・官界人の人事情報。
メニューの「人事検索」から利用可。
researchmap[科学技術振興機構]
文学研究の総合データベース。
作家の人物情報、作品の概要や評論を含む。
研究者の情報。
基になった書籍『研究者・研究課題総覧』の約13万件から発展し、現在約22万件を収録。
便利だけど利用が限定される図書館のデータベースサービス
データベースサービスを使えたら、本当に便利です。
ここで紹介したサービスはほとんどが有料のもので、個人で契約しようと思ったらかなり高額です。
ほとんどの図書館では契約されていますが、利用者がそれを使える図書館は多いとはいえません。
近くの図書館で、このようなデータベースサービスが利用できない場合、やはり参考図書を利用するか、他に適した情報をレファレンスカウンターで相談し、図書館職員に手伝ってもらうことになると思います。
大学図書館では、多くの大学がここで紹介したデータベースに契約しており、同時にログインできる人数の制限はありますが、自由に使用できるはずです。
もし、あなたがこれらのサービスを利用できる環境にあるなら、すでにものすごい財産を持っています!
活用しない手はないですよ。
コメントを残す