シーラが学術図書館のデジタル奨学金センター働いていたとき、同僚としてジーナ(Gina Murrell)という女性と出会いました。
彼女たちは、助成金で資金調達されたデジタル化プロジェクトに取り組みました。
そして、資金終了と同時に、ジーナは他の分野に進みました。
彼女たちは、何年にもわたって短期の仕事と仕事探しを繰り返し、連絡を取り合ってお互いを励ましてきました。
シーラがジーナについて最も大きな影響を受けたのは、彼女が出版業界でコピーライターやエディターとして確立したキャリアを残しながら、図書館への情熱を追い、実際に図書館情報学を学ぶため大学の修士課程に行き直し、新しいキャリアへのチャンスを迎えようとしていることです。
このインタビューが行われたとき、ジーナはサンフランシスコのGAP(そう、あの有名なファッションブランドのGAPです)でデジタルアセットコーディネーター兼アーキビストとしてフルタイムの契約社員で働いていました。
これは、シーラが、元同僚であり、現在よき友人でもあるジーナに行ったインタビューです。
図書館情報学の修士を終えた後の経験、そして現在および将来の学生へのアドバイスになっていますが、さまざまな問題から、図書館で働くことへの情熱を失いかけている人にもぜひ読んでほしい内容になっています。


アーカイブ・スペース(ArchivesSpace)を利用してデジタル資産管理(DAM)プログラムを実装する手助けをしています。
以前のDAMであるAdobe Experience Manager(AEM)からデータを移行し、AEMでメタデータを追加して編集します。
研究の質問に答えるための写真、カタログ、買い物袋の過去の例など物理的な資産をデジタル化します。
そして、たとえば、「このスタイルのロゴはいつ、買物客のために初めて登場したのですか」などの調査依頼に対応することが通常業務です。
ほかには、アーカイブでのオープンハウスイベントを通じてアウトリーチを行い、アーカイブに関するプレゼンテーションも行います。

あなたの仕事について一番好きなことは何ですか?

毎日が違うということです。
毎日、優先順位をつけながらさまざまなタスクを選択しています。
新しい調査質問への回答、資料のデジタル化、そして、検索可能でアクセスしやすいメタデータを提供するため、物理的な資源とデジタル資源を共有しています。
毎日わくわくするような挑戦をしています。
私は短期間でとても多くのことを学びました!

あなたの仕事のどの部分が最もやりがい(挑戦しがい)がありますか?

仕事の契約上のことです。
MLIS(Master of Library & Information Science)の学位を取得した後で転職したとき、わたしは図書館やアーカイブの仕事の多くが臨時雇用であることを知りました。
通常、われわれ(非正規司書)は契約またはプロジェクトに基づいて雇われ、そしてその契約の仕事またはプロジェクトの資金がなくなると解雇されます。しかもときには、即日で。
図書館情報学の大学がわたしたちに教えてくれなかったこと、多くの図書館やアーカイブの仕事の給料が低いことや不安定な側面、それが明らかに挑戦的なことです。

現在のポジションにどうやってたどり着きましたか?
あなたはその過程でどんな課題に直面しましたか。それともなお、課題の最中ですか?

図書館の学校に入る前は、ニューヨークの出版業界でインターンから編集アシスタント、アシスタントエディター、コピーエディターに至るまでの道を歩んできました。
出版業界に入って10年後、わたしは現場でやりたいことはすべてやりきっていて、ほかに何をしたいのだろうと考えました。
わたしが興味を持った唯一のものは図書館で働くことでした。
大学に戻って、学内の図書館で3年間アルバイトをし、その仕事を愛しました。
2011年に修士課程に入学し、日中はフルタイムで出版の仕事に従事し、週に2、3日、夜のクラスを受け、2014年にMLISを取得しました。
短期契約の仕事で働く機会を得て、プロとしての経験を積むようになりました。
わたしは図書館の仕事のために引っ越しもしたし、そのために移転する費用は大変でした。
挑戦し続けているのは、よい給料と福利厚生のある継続的な仕事を見つけることです。

図書館情報学を修了した後の最初の仕事は何でしたか?

大学の修士課程を卒業した後に最初に就いた仕事は、ユージーンのオレゴン大学のデジタル奨学金センターにある、オレゴンデジタル新聞プログラムのプロジェクトコーディネーターでした。
デジタルアセットの管理に関連するさまざまなアプリケーションで実務経験を積んだフルタイムの契約ポジションで、ブログを書いたり学生労働者を監督したりする機会がありました。
それ以前は、どちらもポートランドのコミュニティラジオ局図書館とオレゴン歴史協会でボランティアをしていました。
卒業後すぐ、まだニューヨークにいる間には、Anthology Film Archives(AFA)にインターンをしました。
そこで夏の間、おもにAFAの図書館で、物理的な資産(カタログ、速報、写真などの印刷物)をデジタル化し、これら資源のメタデータを作成しました。

あなたの理想の仕事について教えてください。

最近、契約期間のある仕事でカリフォルニア大学バークレー校に来ました。
そこでわたしは図書館でデジタルおよび物理的なコレクションを扱いました。
キャンパスでの仕事は、いつも面白いことが行われていたし、若くエネルギッシュで、新しいアイディアと向上心や興味を持った人々に囲まれました。
しかし仕事の安定を求めて、わたしは学術以外の図書館業務に移りました。
去年の秋、別のカリフォルニアの大学で終日おこなわれたシンポジウムに出席しました。
その間、わたしは学内の司書の友人とともに、キャンパスと彼女の職場(図書館)を見学しました。
そこでわたしは、自分がより高い環境で働いていなかったことに気づいたのです。
わたしは自らのキャリアの方向性に関して柔軟性を保とうとしていますが、大学や大学図書館でデジタルや物理的なコレクションを扱う恒久的な仕事(正職員としての仕事)は、かなりいいなと思いました。

あなたがしている仕事について、人々はどのような誤解を持っていると思いますか?

大部分の図書館職やその分野が進歩し、司書という職が正当に評価されるためには修士号が必要であることに、多くの人が気づいていません。
仕事が学術図書館である場合は、2つの修士号 (MLISと主題分野の修士号) がしばしば必要とされます。
もうひとつの誤解は、図書館はささやき声でさえ注意されるような静かな場所であるということです。
第一に、わたしは誰にも注意したことはないし、第二に、今日の図書館はダイナミックな空間で、あらゆる年齢層の利用者が互いに、また図書館のスタッフと、そして図書館自体の中にあるインタラクティブな(相互に作用する)リソースと関わることが奨励されています。

図書館の学校で学んだことを実社会で体験したことはありますか?

多くの図書館やアーカイブの仕事がプロジェクトベースや短期的であること、図書館で仕事をしている多くの人の給料が低すぎること、さらには失業者であることについて、図書館情報学の大学が新しく生まれるデジタルコレクションを扱うための仕事の準備を整えてくれたらいいのにと思います。
わたしが知っていることはすべて、インターンシップ、ボランティア、契約期間のある仕事を通して学びました。
自分自身で学ぶか、わたしの可能性を信じ、期待に答えてくれる雇用者と出会うか。
いずれにしても学ぶのをやめることはありません。
常に新しいテクノロジーと新しいやり方があります。
学ぶということは、あなたがプロとして成長するのを助けます。

現在、そして将来の図書館員になる学生に何かアドバイスはありますか。

卒業後すぐに就職できる人もいますが、就職活動には数ヶ月から数年かかる場合があります。
図書館やアーカイブの失業は一般的で、個人的な失敗ではありません。(仕事を得られないことはあなたのせいではない)
お金がなくなり、予算が変わり、部門や会社の優先順位が変わることは、起こりえることです。
厳しい時期にあなたをサポートする別の収入源を持つようにしてください。(失業の痛みを知らなくていいように、一度どこかに雇用されたら、副業としてこの収入源をキープしてください。)
あなたの周りの支持的な人脈を保ち、物事が改善すると信じています。
あなたの図書館のキャリアについては柔軟であること。
あなたは自分が想像していたよりもはるかに優れた場所にいくことになるかもしれません。
成功を祈ります!
デジタル・アセット・コーディネーター&アーキビスト(Digital Asset Coordinator&Archivist)としてのあなたの役割はどのようなものですか?