非正規司書の貧困から抜け出せない「やかた」が好きな人たち




ある場所に安住しすぎると、そこからなかなか抜け出せないということは、誰にでもあることだと思います。

 

これまで6箇所の図書館で勤務してきて、何度も聞いてきたのが「図書館で一度働くと、もうほかでは働けない」という声です。

 

学生アルバイトからパート勤務の主婦まで、様々な立場の人から何度も聞いたし、正職員でさえ、他部署に移動になったとたんに精神に問題が起こり、1カ月も経たずに図書館に戻ってくる人を何人もみてきました。

 

 

このように正職員であれば、図書館にこだわってもチャンスをもらえるのかもしれませんが、非正規図書館員にとっては、その安住が貧困につながることがあります。

 

 

この記事は、図書館の非正規雇用問題、管制貧困問題について専門家やジャーナリストが研究・取材し公開するものではなく、個人によるブログ以上の役割を果たすものではありません。

 

しかも、元非正規司書の当事者だったものによる精神論に拠るところも多々あります。

 

図書館に関心のある読者の皆様は、いろいろな情報と比較し、またそれぞれの専門的知識を補填して判断していただけると期待しています。

 

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図書館が「働きやすい」わけ

 

多くの仕事がそうであるように、図書館の仕事もまた、表にはみえないことがほとんどで、大変な仕事はたくさんあります。

 

なにかしらの技術を要することもあるし、新たな領域についての知識を求められ、勉強が必要となることもあります。

 

それでもやはり「図書館」という場所を職場として考えるとき、人の命を預かっているわけではなく、大きなお金が動くわけでもないので、比較的穏やかな労働環境で働けていると思います。

 

こういう話をすると「誰でも入館できる公共図書館は常に様々な問題や危険と隣り合わせですけど。」という声がありますが、そうですね、だからこそ人員を多めに配置したり守衛さんがいたりするので、その分1人あたりの人件費が抑えられてしまい、それもまた薄給に繋がっていると考えられます。

 

 

よく言えば、図書館は「働きやすい環境」だということにもなります。

 

「働きやすい環境」ということであれば、むしろ図書館が理想的であり、ほかの企業が真似をすればいいのでは?とも思えますが、金銭的リスクも法的リスクも背負っていないし、非正規に限って言うと最も困難な意思決定を行うわけではないなど、やはり図書館独自の環境が働きやすさを作り出していると考えられます。

 

図書館が好きってどういうこと?

 

以前、このような記事を読みました。

 

>>月収13万円、37歳女性を苦しめる「官製貧困」公営図書館の嘱託職員は5年で”雇い止め”に
(東洋経済 2016年09月08日)

 

このインタビューに答えている女性の問題は、客観的に見れば簡単に解決できそうなことですが、実際に、このような人たくさんいるなぁと思います。

 

この記事の女性のように、

  1. フルタイムで図書館で働きながら、学芸員(博物館や美術館で勤務するため)の資格の勉強をする
  2. 午前から午後の半日を図書館で働き、午後から夜までの半日を別の図書館で働く
  3. または、平日フルタイムで図書館で働き、週末も別の図書館で働く

 

「図書館が好きだから図書館で働く」というのは、わたし自身がまさにそうだったのですごくよくわかります。

 

図書館を図書館にするものとは? 「図書館のイメージ」をハックする

2018.12.21

 

ですが、それでもそれが仕事である以上、職務内容に焦点を当てるのは当たり前のことだと思います。

 

司書という肩書きにこだわりたかったり、物理的な空間としての「図書館」が好きであれば、たとえ時給900円でも好きなことができてしまっているわけですが、「図書館の仕事」が好きなのであれば、好きだから、そのキャリアのために足りない部分を補うという発想ができるはずなのです。

 

 

図書館以外の職務経験が図書館業務の役に立つ

2018.12.19

 

そして、足りないキャリアっていうのは、どう考えても「学芸員」の資格ではないし、副業として別の図書館で働くことでもないはずです。

 

もしかしたら、会社がお金を払ってくれるならともかく、13万の給料でキャリアに必要なことを自分で補うなんて嫌だ!と考える人もいるのかもしれませんが(利用者の立場からしたらこんな図書館員イヤですが)、自分が学ぶことは結局、自分のためになりますけどね。

 

給料をもらいながら何かを学ぶこともできます。

2018年は副業元年 非正規図書館員の副業経験をすべて公開するよ

2018.12.12

 

さいごに

 

図書館が好きで図書館で働き、さらにその業務内容の奥深さに魅了されたら、司書課程や職務経歴を通じて学んできたことが他分野にいくらでも応用できるということが分かってきます。

 

それでも、いや、「図書館」働くことが好きなのだというのなら、それはやはり「やかたが好きな人」ですよね。

 

非正規雇用からも貧困からも抜け出すのは難しいと思います。

 

館が好きな人
  • 図書館で働きながら学芸員の資格の勉強をする人
  • 図書館と図書館のWワークをする人

 

もちろん、それでもそこにこだわりたいなら、それは「どうぞ」です。

 

好きなことというのは本来、タダでも(給料がなくても)人に全力で止められてもやり続けることですから、それはそれで幸せなことですよね。

 

でも、これからの非正規図書館員の問題は、薄給とか管制貧困とか、正職員との格差よりもAIだと思いますよ。

 

図書館の仕事はAIに奪われる? 10年後、司書として食べていけるか

2018.07.11

 

アメリカでは、司書がほとんどいない図書館が少しずつ誕生しています。

(テキサス州サンアントニオの公立デジタル図書館「Hunt Library」)

 

非正規司書は契約期間の遵守より自分の生活を尊守

2018.06.11

 

※この記事は、2018年1月16日に別サイト(現在閉鎖中)で掲載したコラムの転載です。

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