正規で図書館司書の職に就くのは大変狭き門ですが、図書館で働きたいと思った時、”派遣”で働くという方法もあります。
派遣は、何かと問題ばかり指摘される雇用形態ではありますが、働き方のひとつとしてメリットもあります。
では、派遣で司書として働く場合、どういったメリットがあって、特にどの派遣会社がおすすめなのかをみていきましょう。
派遣司書として働くことのメリットとは?
ここでは、派遣社員についての全体的な話ではなく、派遣”司書”、要するに派遣という雇用形態でどこかの図書館に勤めることのみに絞ってお話しさせていただきます。
正規としては勤められない世界に足を踏み入れることができる
最初にも書きましたが、正規で図書館司書の職に就くのは大変狭き門です。
たとえば、自治体の採用試験や、大学の職員に採用されて図書館に配属されるなどの方法があります。
そういった試験を経てその職に就けるのはほんの一部の人だけです。
私立の大学に至っては、いまだにコネ採用も存在しているようです。
また、親や身近な人が公務員や大学職員である場合、その職へのイメージが湧きやすいかもしれませんが、まったく無縁の人にとっては少し遠い世界です。
もっと極端な話、高卒だと大学の環境や雰囲気はまったくわからないと思います。
しかし、派遣という雇用形態であれば、高卒でも大学図書館に勤めることができる可能性もあるのです。
これは、何より最大のメリットといえるでしょう。
簡単な顔合わせだけで結果がでる
正規職員へ採用されるには、筆記試験、適性試験、複数回の面接など、採用されるまでの長い道のりがあります。
その準備にも多大な時間がかかるでしょう。
派遣の場合は、派遣会社への登録には少し手間がかかりますが、条件が合えばすぐに職場との顔合わせをセッティングしてくれ、顔合わせが終われば、よほどのことがない限り勤務開始となります。
社会保険がしっかりしている
一定の条件を満たしている場合、社会保険に加入し、年1〜2回の健康診断の受診ができたり、産休や育休の取得も可能です。
また、多くの派遣会社がスキルアップ支援を行なっており、パソコンの研修などを無料で受講できることもあります。
わたしも、蔵書管理に必要なエクセルの技能を、派遣会社の講座でマンツーマン指導してもらいました。
これは後々、本当に役に立ちました。
「司書」でいられる
これはちょっと特殊な考えかもしれません。
派遣はもともと、ある分野の専門技術を持っている人が、それを求めている企業に派遣されることが目的ではじまった制度です。
労働者と派遣先のニーズとスキルが一致した双方が、効率よく出会えるように派遣会社があります。
司書も専門職です。
大手派遣会社のアデコでは、その職種を「専門的文書管理」としています。
わたしもずっと派遣で司書をやっていますが、ある大学図書館で勤務していた時、ある職員(正職員)に、
「わたしたちはあくまでも大学職員だけど、あなたは司書なので、いろいろ教えてください。」
と言われたことがあります。
それは、その方がとても謙虚でどんな立場の人からも学ぼうとする姿勢をもった素晴らしい方であるのはもちろんですが、わたしはこのとき、司書は専門職なのだと改めて思い、派遣先からは、その専門的職務に精通した人として雇われているのだと身が引き締まる思いでした。
どうせいつか契約が終わると思って働くか、そこで何かを残し、貢献し、学ぼうとして働くかで、その後の人生もまったく違うものになりますよね。
「専門職の司書としてここに派遣されてきたのだ。」と、責任感を持って働き、同時に自身を成長させてください。
派遣で図書館で働きたい おすすめの派遣会社は?
では、派遣で司書として働く場合、おすすめの派遣会社はどこでしょうか。
- リクルートスタッフィング
- アデコ
- 大学関連(所有)の派遣会社
個人的には、この3つがおすすめです。
リクルートスタッフィングおすすめの理由
時給1600円以上の図書館求人が頻繁に掲載されるのはリクルートスタッフィングだけです。
また通常、派遣社員は「はけんけんぽ」という健康保険に加入しますが、リクルートは、リクルートの社員と同じ「リクルート健康保険組合」への加入になります。
保険料が安くなり、福利厚生が充実している点もおすすめのポイントです。
また、登録するためにわざわざ足を運ばなくてもWEB登録ができるので、現在ほかの仕事をしていて、転職を考えているけど時間が取れないという人は、空いた時間に登録ができます。
アデコおすすめの理由
アデコは、大手でありながら、他の大手派遣会社のような露骨な囲い込みをしません。
囲い込みとは、とりあえず登録者を増やし、派遣会社内で審査をし、審査に漏れた人には就業希望者のいない職を案内したり、その人が他の派遣会社から仕事を見つけた場合はどういった仕事かを聞き、その企業に営業をかけるといった具合に、登録者と企業を同時に囲い込むことです。
これは、真剣に仕事を求めて登録している人を利用している行為です。
アデコは、希望の仕事があって問い合わせると、その仕事を紹介できるかできないかを問い合わせ時点で教えてくれ、別の仕事を紹介されるということがありません。
このあたりは、個人的経験も含まれているので人によって違う感想を持つかもしれません。
ただ最近は、アデコの求人の中に図書館の仕事がどんどん減っているような気がします。
前述の「囲い込み」をする派遣会社が、図書館の求人をまさに囲い込んでいる可能性が高いと言えます。
大学関連(所有)の派遣会社おすすめの理由
大学関連の派遣会社とは、明大サポート(明治大学)、早稲田大学アカデミックソリューション(早稲田大学)、ウィズ・ケイ(共立女子学園)などです。
これらは単純に、その大学に関する業務を抱えているので、そこに登録していると、その大学図書館で人員が必要となった場合は紹介してもらえるでしょう。
働いてみたい特定の大学図書館がある場合は、事前に登録して熱意を伝えておくとおくとよいかもしれませんね。
まとめ
派遣で司書として働くなら、おすすめの派遣会社はどこ?
- 正規採用が厳しい図書館司書の仕事は、派遣もおすすめ
- 専門職として派遣されていることに、自信と責任を持って貢献し、自身も成長させよう
- リクルート、アデコ、大学所有の派遣会社がおすすめ
ボーナスが出ない、いつ契約を切られるか分からない・・・
など、デメリットばかりが取り上げられる”派遣”ですが、それは派遣に限ったことではありません。
派遣司書としてどこかの図書館で働きたいと思っている人はぜひ、今回の記事を参考にしてみてください。
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