図書館以外の職務経験が図書館業務の役に立つ




大学で図書館情報学を専攻し、学生の間に図書館でアルバイトを経験、卒業後に自治体の司書職の採用試験を受けるか、自分が卒業した大学に職員として採用される。そして、定年退職までずっとそこで働き続ける。

 

これは、図書館で正規職員として働くことを目標にしている人にとっては模範的なロールモデルだと思います。

 

学生時代のアルバイトや専攻はともかく、新卒でそのレールを外れると、正規職員として図書館に勤めることは一気に困難になります。

 

それでも30代中旬くらいまではまだチャンスがあり、限りなく少ない枠ですが、自治体の社会人採用枠で司書職が募集されることもあるし、大学職員の中途で採用され、図書館に配属されることもあります。

 

そして理不尽なことに、新卒だと、そこ(図書館の正規の職を手にする)に至るまでに図書館の世界しか知らなくても採用されるのに、中途採用となるとそうはいきません

 

もし中途採用で図書館の正規職員を目指したいなら、やはり、今のうちに図書館の外に出て、図書館で生かせる経験を積み、それを図書館業務に応用しPRできるように準備していた方がいいと思います。

 

図書館の職務に役立つ図書館外の仕事

 

では、図書館の職務に役立つ図書館外の仕事とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

 

顧客サービス

 

図書館は地域社会のニーズに応えています。

 

そのコミュニティに公共、学生、研究者が含まれているかどうかに関わらず、図書館で働くことは人々と協力することを意味します。

 

顧客サービスの経験は、対人スキルに応用可能な上、そのスキルは図書館以外の多くの職場で学ぶことができます。

 

小売、飲食、ホスピタリティ、およびその他サービス産業の仕事は、これらのスキルを得るのに最適です。

 

積極的な聴取、共感、問題解決能力は、レジでの接客と図書館カウンターに共通しています(レファレンスなどの専門的なことは除く)。

コールセンターで仕事をしたり、カスタマーサービスで顧客を助けるような仕事をしていれば、それも図書館内での利用者サービスが快適になります。

 

サービス業界で働いていて、社内外にかかわらずほかの人と頻繁にコミュニケーションをとりながら業務遂行している場合は、図書館業務にとってすでに重要なスキルがあるということです。

 

そして何より重要な点は、図書館の中途採用の求人に応募する多くの人は、履歴書や職務経歴にカスタマーサービスのスキルを持っていないと思われるので、それだけでよい立場にいます。

 

藤原和博先生(10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」)の言うところの「レアカード」です。

 



 

コミュニケーション

 

わたしは以前(かなり長い間)、電話で人と話すことが苦手でしたが、コールセンターで仕事をしてからは、すぐにその恐怖を乗り越えました。

 

2018年は副業元年 非正規図書館員の副業経験をすべて公開するよ

2018年12月12日

 

多くの人々と電話で、メールで、Skypeなどのチャットやテレビ電話を通じてさまざまな方法でコミュニケーションをとる手段を学ぶことは貴重なスキルとなります。

 

わたしたちは現在、世界中の人々とつながる手段を持っており、多くの図書館は従業員が必要な方法で快適にコミュニケーションを取ることを期待しています。

 

ライティングやブログの経験でさえも、書くことによって人々と対話する方法を知っていることを示すことができます。

 

今はまだ、それらが図書館業務に応用可能なコミュニケーションスキルとは想像できないかも知れませんが、複数の伝達手段を使ってコミュニケーションを構築する方法を知っていることは、図書館にも必要な経験とされる時代がくるでしょう。

 

コラボレーション/チームワーク

 

図書館の仕事に関わらず、複数の人と一緒に働いたり、協力しあうことは避けられません。

 

これは、コレクション開発のために教員と協力したり、寄贈者と協力してアーカイブコレクションを作成したり、図書館プログラムを作成する組織と提携することを意味します。

 

他の人と共同作業することで、生産性と作業効率を高めることができます。

 

異なる経験を持っている人とチームとなり一緒に作業することで、一人で抱えていると明らかにならない可能性のある解決策や成果が得られます。

 

日本では、体育会系(特にチームプレー)の部活動経験などが評価されやすい傾向があるように感じますが、それは、チームで働く能力があることが証明されているようなものだからだと考えられます。

 

チームワークが必要な活動や、グループプロジェクトの作業はストレスになる面もありますが、異なるタイプの人同士が共通の目標に向かって作業する経験は無駄になることはないでしょう。

 

技術スキル

 

これは、言わずもがなですよね。

 

誰もがハイテクに精通しているわけではなく、新しいソーシャルメディア、プラットフォーム、ソフトウェア、ハードウェア、そしてアプリケーションが社会に共通して必要とされてきているので、図書館もまた、テクノロジー分野を先導できる人を探しています。

 

企業のソーシャルメディアアカウントを管理したり、チュートリアルの作成に精通したり、オンラインプラットフォームを介してミーティングを行ったりしている場合は、既に図書館が探しているスキルの一部を持っているといえます。

 

コーディングやプログラミングは図書館でも普及しており、図書館ホームページや図書館システムでの作業にも役立ちます。

 



 

さいごに

 

図書館の世界に関連するすべてのスキルに言及することは不可能です。

 

営業経験、プロジェクト管理、マーケティング・・・

 

このスキルを持っていれば安全・確実というものはありませんが、図書館以外のスキルや経験は貴重です。

 

図書館業務で成功するために必要なスキルは、図書館外の職場でみつけることができ、スキルとして形成されます。

 

これは決して、図書館では身につけられないと言っているのではなく、必ずしも図書館で身につける必要はないということです。

 

そして、逆も然りです。

職務経歴が図書館しかなくても、図書館で培ったスキルをほかの職に応用することができます。

 

これについてはまたの機会に書きます。

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