図書館の求人 これはブラック?その見分け方と注意するポイント




 

図書館で働きたくて求人情報から希望に合う司書職を探してみたり、図書館の求人にひたすら応募している人もいると思います。

 

しかし、図書館の求人は、よくみると疑問の残る案件がたくさんあるので、応募する前にしっかり自分の生活に当てはめてシミュレーションすることが必須です。

 

実際に勤務しはじめてから「間違った」と感じても、すぐに辞める勇気と当面の経済力があれば問題ありませんが、派遣、パート、アルバイトなど、どういった立場であっても、一連の手続きを経て採用された仕事をすぐに辞めるのはなかなか難しいことだと思います。

 

そのため、応募前にしっかり吟味することをおすすめします。

 

今日は、実際にある図書館求人の中から気をつけるポイントをあげてみました。

 

気をつけたい図書館の求人情報 シフト制

 

最も注意が必要な図書館の求人は、「シフト制」です。

 

最近は、22時くらいまで開館している図書館も多いので、必然的にシフト制の求人も多くなります。

 

シフト制である場合、まず副業が難しくなるので、高時給であることは絶対条件になります。

 

こちらは、図書館の受託運営をしている企業からの実際にあった求人です。

【勤務地】渋谷区内の公共図書館

(就業場所は通勤時間やスキル、欠員状況等を勘案のうえ決定いたします)

【勤務日数】土日祝含む週4日または5日

【勤務時間】8:30~21:15のうち実働7.5時間のシフト制

【休日】シフトによる休日

【仕事内容】公共図書館のカウンター業務など

【資格】司書資格、図書館実務経験あれば尚良し、PC操作、接客ができる

【給料】

司書資格あり=時給1,060円(ただし、最初の2ヶ月間は1,030円)
司書資格なし=時給1,030円(ただし、最初の2ヶ月間は1,000円)

通勤費は、月額上限を5.5万円として実費支給

 

どうでしょうか。

 

土日含めて8:30~21:15のシフト制だと完全に副業が難しいですが、その上、司書資格ありでも時給1,060円の給与しかありません。

 

また、この求人情報に注目してほしいのは、応募する時点で配属先が明確ではない点です。

 

この求人に応募しても問題ないのは、

  • 渋谷区在住の実家住まいの独身者か既婚者で、家賃などの支払いが不要な人
  • 渋谷区在住で、毎月一定額以上稼ぐ必要がない人

しか考えられません。

 

専門職として働く意欲と体力のある人は、このような時間的にも場所的にも悪条件で、かつその悪条件が給与に反映されているわけではない仕事に人生を振り回されないで欲しいと願います。

 

気をつけたい図書館の求人情報 給料が安すぎる

 

これはもはや、図書館求人あるあるですが、扶養内勤務したい人やほかに事情があって稼ぎたくない人以外は、1,000円以下の求人情報は即スルーしてほしいものです。(応募するということは、その時点でその会社を”応援する”ということです。)

 

こちらは、図書館の受託運営をしている派遣会社の実際にあった求人です。

【勤務地】 神奈川県横浜市

【勤務時間 】11:00~16:45/13:15~19:00(実働5時間45分)

【勤務日】月~日のシフト制

【休日】月~金+隔週土曜の週3~4日勤務
・夏期(8/9~8/16)、冬期(12/27~1/4)
・試験期(7・12・1月)は隔週程度日曜勤務あり
・学生休暇期間は基本勤務無し

【給与】時給990円(交通費は日額上限1000円まで別途支給あり)

【資格】司書資格をお持ちの方、図書館の勤務経験は不問

【業務内容】
・貸出、返却、問合せ対応など
・配架、返本、修理、地下書庫、出納業務、閉館作業など

詳細情報は伏せましたが、勤務地について、駅からさらにバスで30分程度かかる場所だったので、交通費はバス代で消えてしまう(電車代は実費となる)可能性が高いです。

 

また、この求人情報には「休日たっぷり!オフも充実できますよ! 」と書かれていたのですが、たっぷりある休日に給与は発生しません

 

990円の時給で休日たっぷりの案件に、いったいどういった視点で「オフも充実できますよ!」と言っているのかツッこみたくなる求人情報でした。

 

この求人に応募しても問題ないのは

  • お金のために働く必要のない人
  • 扶養内で働きたい人

以上です。

 

気をつけたい図書館の求人情報 リーダー職

 

図書館業務を全面受託している会社の求人に「リーダー職」というものがあります。

 

しばしば、同じ図書館だと思われる場所でなんども「リーダー職」の求人が出ることに気がつきますが、要するにリーダーがすぐ辞めるからリーダーを募集しているのだということが明らかです。

 

【勤務地】東京都文京区

【勤務日】火/木/金

【勤務時間】8:45~16:45、12:15~20:15(休憩1時間、実働7時間)

【休日】土日祝
・夏季、冬季、入試期間休暇あり
・月1回土曜出勤(9:00~12:45)あり

【仕事内容】大学図書館のリーダー業務

・閉館作業、館内巡回
・貸出返却、配架
・レファレンス
・企画展示
スタッフ取りまとめ、勤怠やシフト管理
他図書館や職員とのスケジュール調整
報告書作成、その他現場管理

【資格】司書資格、図書館実務経験あれば尚良し、PC操作、接客ができる

【給料】時給1250円(交通費の別途支給なし)
リーダー手当有 3000円/月

こちらはいっけん、図書館の求人の中では時給がいい方にみえるかもしれません。

 

しかし、リーダーとしてスタッフ取りまとめ、勤怠やシフト管理、他図書館や職員とのスケジュール調整、報告書作成、現場管理・・・

 

これらの職務がありながら、たった月3000円のリーダー手当は完全にブラックではないでしょうか。

 

しかも、リーダー職でありながら「司書資格、図書館実務経験あれば尚良し」とは、図書館、労働者双方のことを舐めきっていますよね。図書館のことをよくわかっていないのに受託している派遣会社だと想像できます。

 

当サイトに寄せられた「リーダー職」というポジションがある派遣の体験談

わたしは以前、図書館の求人でかなり有名な某派遣会社から大学図書館に勤めたことがあります。

 

ある日、体調不良で派遣会社にも断りを入れて欠勤したのですが、その翌日に出勤してみると全員から無視されるということがありました。

 

後々分かったことが、誰かが休むとリーダーが代わりに勤務しなければならないシステムになっており、よほど大きな理由がないと休めないことがわかりました。

 

そういったことが理由なのかは分かりませんが、職場はかなりギスギスしており、トイレにも行けない、閉館作業が終わらなくても必ず決まった時間でタイムカードを切られるなど、疑問に思うことばかりでした。

 

時給は900円でしたが、そこで働いている人はみな独身・実家暮らしのいわゆるパラサイトシングルでした。

 

わたしは一人暮らしをしている身だったので、ここにいてはいけないと強く思い、1ヶ月もたたず辞めました。

 

これまで5カ所の図書館で勤務してきましたが、「これがブラックというものか」と感じたのはこの職場だけです。

 

また、わたしが経験した図書館の中でリーダー職というものがあるのもこの職場だけでした。

 

まとめ

 

図書館の求人 これはブラック?その見分け方と注意するポイント

 

まとめ
  • シフト制、給与が安すぎる、リーダー職がある全面受託の図書館求人には注意が必要

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