「図書館の非正規雇用問題」からみる、日本終わってる問題




2019年10月12日追記あり

 

先日(10月7日)、ホリエモンこと実業家の堀江貴文さんのツイッターでのつぶやきが話題になりました。

 

都内の企業に12年間勤務して手取りの月給が14万円だという会社員が「日本終わってますよね?」とネット掲示板に投稿して共感の声が起きている

 

という記事を引用し、

 

「日本がおわってんじゃなくて『お前』がおわってんだよwww」

 

とつぶやいたというものです。

 

 

都内の企業に12年間勤務して手取りの月給が14万円…

普通に働いて普通に生活できないなんて、やっぱり日本終わっているなぁと思わなくもないですが、ここでは、図書館の非正規雇用問題から見ていきたいと思います。

 

この記事は、図書館の非正規雇用問題、管制貧困問題について専門家やジャーナリストが研究・取材し公開するものではなく、個人によるブログ以上の役割を果たすものではありません

しかも、非正規司書の当事者による精神論に拠るところも多々あります。

図書館に関心のある読者の皆様は、いろいろな情報と比較し、またそれぞれの専門的知識を補填して判断していただけると期待しています。

このサイトについて

免責事項

 

 

出ては消えていく「図書館の非正規雇用問題」

 

ところで「図書館の非正規雇用問題」とか「管制貧困」ってどうなったのでしょうか。

 

 

当サイトで「非正規司書の貧困から抜け出せない「やかた」が好きな人たち」という記事を最初に書いたのが、2018年1月16日のことでした。

 

 

この記事の中で取り上げたのが、東洋経済オンラインの2016年9月8日の記事「月収13万円、37歳女性を苦しめる「官製貧困」公営図書館の嘱託職員は5年で”雇い止め”に」です。

 

3年経って、何かが改善されるどころか忘れ去られてさえいるような気がします。

 

強いて言うなら、非正規図書館員に見切りをつけて就職や転職をしている人や、悪条件の求人には応募しない人が増えているという状況に好転しているような印象はあります。(あくまでも個人的な印象です。)

 

図書館の求人 これはブラック?その見分け方と注意するポイント

2018年9月6日

図書館の求人情報をハックする 東京の図書館の時給を調べた結果がひどい

2018年6月4日

 

しかし、社会全体が普通に働いて普通に生活できないことが問題になっている今、「非正規図書館員(司書)」の薄給問題だけが特別に問題定義してもらえるはずはないよね…と思います。

 

 

「非正規図書館員」を問題にすれば研究対象になるだけという現実

 

 

「図書館の非正規雇用問題」について、図書館情報学の研究者が論文を書くことはあるし、学部生が卒論のテーマにすることもあります。

 

きちんと数字を出して統計を取り、問題定義をしてくれています。

 

 

しかし当たり前だけど、業界内以外の人は誰も読まないような論文が、その問題の改善に一役買ってくれるという期待はできません。

 

むしろ問題にすればするほど、研究対象になったり記事のネタを提供するだけの立場になっているのです。

 

前述の東洋経済オンラインの記事も、あるときは爆発的な閲覧数を得たかもしれませんが、それだけですよね。

 

取材に答えた女性は、コーヒーを1杯飲ませてもらっただけで(きっと、ちょっとした謝礼すらもらえず)ネタを提供し、時間を浪費してしまうのです。挙句に「自己責任」などと言われて、さらに自分を責めることになったかもしれません。

 

後述しますが、自分が置かれている状況が「問題」だと思うなら、国や誰かがどうにかしてくれるという受け身の姿勢だとどんどん自分が不安になり、誤った選択をしたり利用される立場になり、結果、自分が傷つくだけでそこから抜け出すのはより困難になります。

 

堀江氏のいう「日本がおわってんじゃなくて『お前』がおわってんだよ」というのはそういうことだと思いますよ。

 

なぜ、”非正規の”司書・図書館員が薄給だと問題なのか

 

そもそも、社会全体の給料が上がらず低賃金で働き、慎ましい生活を強いられている中、”非正規の”図書館員・司書だけが薄給であることが問題になる理由はあるのでしょうか。

 

専門職、知的職業だから?

 

非正規図書館員の薄給が問題になるとき「司書は専門職だから」「知的職業だから」という声があります。

 

確かにそうですが、結局、専門的業務は正職員が担っていることが多く、給料の安い図書館員は配架や貸出・返却などの簡単なカウンター業務がメインで、誰でも覚えられる仕事であることが多いのも事実です。

 

図書館の求人情報をハックする 主婦だけにおすすめする求人とは?

2018年6月3日

 

専門的な部分を担っている嘱託職員や派遣職員もいますが、クレーム対応や督促など、非正規であれば免れることって絶対にあるはずです。

 

だいたい司書は、高卒でも取れる資格だし、博士まで取得してもその分野での仕事が見つからない人がたくさんいる中、いまだにそのような意見が出てくることに驚かされます。

 

高卒で司書になる方法

2019年9月13日

 

正規と非正規の間の給与格差は問題で、これは自己責任のレベルではありません。

 

それでも、国が厳しい財政難の中、文化的なものやいわゆる儲からないものに対して真っ先に予算を削ることは簡単に想像ができます。

 

それは本当に悲しいことだし、もっと長期的な視点で見たら大きな損失を招くことになる可能性もありますが、それだけ国や行政が切羽詰まっているのでしょう。

 

やはり、日本は終わっているというより終わりかけているなぁと思いますね。

文化や芸術を守る余裕がない発展途上国のような感じですね。

 

 

役に立つものにお金は動くのか

 

以前、非正規図書館員(司書資格あり)の人たちと、図書館の非正規雇用問題について話していた時にこういう意見がありました。

 

「日本は結局、役に立つものしかお金が動かないから。」

 

・・・

 

ちょっと待った!

図書館は役に立つものです、絶対に!

 

おそらくこの方のいう「役に立つもの」とは、医学とか科学とか割と即戦力で役に立つものを指し、前述の文化的なものやいわゆる儲からないものを役に立たないと表現したのだと思います。

 

それでも、現場で実際に働く図書館員の口から「役に立つものしかお金が動かない。(だから、役に立たない図書館にお金が回ってこない)」と出てきたのはとても残念でした。

 

しかし同時に、実際に図書館業務に従事する司書資格を持った図書館員からそのような言葉が出てくるということは、一般的に図書館は役に立たないからそこに税金や学費を充てないでほしいと思われている可能性は十分ありますよね。

 

そこはやはり、公務員であり正当な給与をもらっている図書館の正職員にその重要性をしっかりPRしてほしいところです。

 

図書館員がWikipediaを編集すべき5つの理由

2018年12月20日

 

しかし、役に立つからといって、必ずしもその分野で正当に評価されたり雇用に繋がったり、いい給与がもらえるわけでもないのが現実です。

 

それについてはこちらの記事が読みごたえがあります。

 

人文系の知識は「役に立つ」はずなのに……

「役に立たない学問」を学んでしまった人文系“ワープア博士”を救うには……?非常勤講師「雇い止め」で「ガードマン」に」』2019.4.15 文春オンライン

 

有能な人が雇い続けてもらえるわけでもない

 

さらにいえば、有能だから雇ってもらえるわけではないです。

 

その業務について無能でも、お金を出してくれる人が「一緒に働きたい」と思うと雇われるし、雇い続けてもらえます。

 

どの才能が買われるかは、相手により変わります。

 

下の記事にも書きましたが、図書館の場合は、行政や学校法人の人事が決めることが多いので、実際には顔も知らない人に決められるわけですが、能力ではなく縁とかタイミングみたいなものに翻弄されることはありますよね。

 

非正規司書は契約期間の遵守より自分の生活を尊守

2018年6月11日

 

有能なのに…有能だから…は雇用されたり、正当に評価されるための理由にはなりません。

 

しかしこれは、日本だけの問題ではないと思いますし、有能ならむしろ雇われなくてもいいのでは??と思います。

 

職場に行くこともなく、今の労働時間の3分の1で今の何倍もの給料が得られると思いますよ。

Webライターで30万稼ぐならサグーワークスのプラチナライター

 

「図書館の非正規雇用問題」が問題にならない最大の理由

 

貧困問題についての記事などを目にすると、次の2つの大切さを思い知らされます。

 

「情報」と「想像力」

 

情報を素早く正しくキャッチする術と、時代を理解し、そこから想像する力です。

 

これらは学校では学んでこなかったので、詰め込み教育でまじめに勉強してきた人であればあるほど、そういった傾向になりやすいのかもしれません。

 

本当に「司書」なら、情報弱者になりえない

 

 

まず、「情報」ですが、司書の資格を取得するために、本当にきちんとそれについて学んだなら、情報弱者にはならないはずなんですよね。

 

なぜなら、図書館が情報だから。

 

日本という国では雇用されなくても仕事はいくらでも自分で作ることができます。

 

インターネットの閲覧に規制はないし、それこそ図書館は誰でも通える範囲にあって、無料で使えます。(たとえ公共図書館でも年会費が必要な国はたくさんあります。)

 

何より、実際に図書館情報学を学ぶ過程や、図書館業務の中で、情報の選別の仕方などが身につきます。

 

情報弱者に向けて「図書館がありますよ」と教えていく(広めていく)のも司書の役割のひとつのはずです。

 

2019年10月12日追記:堀江氏が冒頭の発言に関してyoutubeで動画を公開しています。(この記事の最後にリンクを貼っています。)

この中で堀江氏も「情報」について述べています。

 

「図書館の非正規雇用問題」からみて、日本は終わっているか

 

このように、非正規であれ、司書資格を取得する過程できちんと「図書館情報学」を学んだ司書なら、情報弱者にはならないはずです。

 

しかし、情報を受け取り、きちんと選別する力があれば貧困にならないのかというとそういうわけではありません。

 

前述のように「司書は専門職だから」「知的職業だから」

だから、国が給料を上げるべき。

予算をそこに費やすべき。

というように時代錯誤が甚だしい考えだと、どんどんおいて行かれます。

 

要するに想像力の欠如。

 

これからは、もっともっと学歴は関係なくなるだろうし、資格取得が就業のポイントにならないだろうし、履歴書や職務経歴書などが意味をなさないようになってくるでしょう。

 

わたしも人を雇う立場ですが、ブログやSNSを見せてもらえばその人の持つセンスや技術が分かるし、何よりその”人”がわかります。採用して失敗することもありません。

 

そこで、「SNSなんて…」。

というのもまた、想像力の欠如です。

SNSは必ずしもプライベートをさらすものではないし、もっと言えば、これは単なる例であり、これからの時代それをやればいいという話をしているわけでもありません。

 

確かに今の日本は、普通に働いて普通に生きていけない時代です。

もうこれからは、自分でなんとかしなきゃいけない時代なんだなと考えると「終わっている」

と感じますが、

自分でなんとでもできるのだと考えると、終わっているどころか何でもできる自由な国

なのです。

 

 

アメリカのタイム誌が毎年、著名な政治家や実業家などを選出している「person of the year」(その1年を代表する人物)が、有名人ではなく「You(あなた)」を選んだのは、もう、2006年の話ですよ。

 

10年以上も前のそのときに、自分で何かをはじめたかどうかが今のわたしたちの状況を表していると思います。

 

2018年は副業元年 非正規図書館員の副業経験をすべて公開するよ

2018年12月12日

 

 

非正規図書館員についていえば、司書資格を持ち(しつこいけど、それを本当にきちんと学び)、そこで働いた経験(きちんと司書の自覚を持ち、日々研鑽してきた)があるなら、それだけで有利な立場にいると理解したほうがいいです。

 

ポジティブ思考とかではなく、事実です。

 

「司書」は、その技能と図書館を使って自分の夢を叶えられるか

2018年12月9日

 

↓↓ 堀江氏も、ツイッター発言の補足として「情報の大切さ」を述べています。 ↓↓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です